2009年の補助金 1kwあたり7万円

2009年に、国内で発表された太陽光発電に関する補助金の概要は、

  • 金額にして200.5億円
  • 件数にして84,000件

程度の加入申込者を想定して発表されました。

 

申込条件は、
《10kw以下の太陽光発電設備について1kwあたり70万円以下の設備》
を導入する申込者に対して、
《1kwあたり7万円の補助金が支給される》
という内容でした。

 

これは、現在2013年の補助金の水準と比較して倍以上の金額となります。
また、同時に各都道府県、市町村の2地方自治体からの補助金制度も整備されました。

 

非常に大きな予算が付き、明確な普及目標が設定された補助金は、この2009年が元年となりました。

 

都道府県や、市町村で実施された補助金についても、
同様の普及目標に準じた政策が履行された上で、補助金が提供されました。

 

2009年 想像以上の申込者が殺到

 

「将来計画」に基づいた太陽光発電設備の、国内の本格的な普及はこの年から始まったのです。
補助金は4月1日を以て早期に予定定数に達し、早くもその効果が出始めます。

ドイツの「前例」

この結果を踏まえて、関係官庁は胸を撫で下ろす一方、
経済産業省の懸念を裏付ける結果となったのです。
それは・・・数年前のドイツの状況に酷似した、申込者の殺到状況でした。

 

同時に提供されていた、余剰電力買い取り制度と補助金の併用は、
太陽光発電のバブル局面を形成する、格好の材料として十分である事を、
国内の補助金申込結果が証明したのです。

 

全量買い取りではなく、余剰電力でも、これだけの効果があったのです。
価格コントロールを失えばドイツの二の舞になる事は確実でした。

 

元々、ドイツの先行した政策結果を注視していた経済産業省は、過剰な助成政策は取らず、
新たな国内の助成政策について、あらゆる局面で内容を控えめに設計していたのです。

 

それにも関わらず、買電と補助金を同時に提供した際の市場の反応は敏感で、
その結果は経済産業省の想像以上のものでした。

 

「二の舞」を回避する為に

これを踏まえて、早期の電力買い取り単価の下落と、補助金単価の下落は、
大きな方向性として揺るぎないものとして決定付けられます。

 

現にその後、補助金は下落していき、現在も下落し続けています。

 

2009年は太陽光発電の助成政策の本格導入の元年であると同時に、
バブル化へ向かわない様にブレーキが同時にかけられる事が決定付けられた年でもあるのです。

 

これは、

 

【いかに太陽光発電の普及をしつつ、
その投資がバブル化しない様にする為の実際のコントロールが困難か】

 

を裏付けています。
しかしながら太陽光発電は、助成政策なしに普及がありえない発電方式であるという事も事実であり、
官民一体の普及促進活動抜きには普及しない発電方式であるともいえるのです。

関係機関に非常に大きな影響を与えた2009年の補助金制度

日本の太陽光発電の普及に関する本格的な助成制度の導入は、
余剰電力買い取り制度と補助金の複合制度により本格的に普及を始めた2009年となります。

 

日本の太陽光発電の普及に非常に強い意欲を見せた当時の経済産業省は、
当時のドイツの普及政策を見習った積極的な助成政策を、
リスクもある中、国内での普及を目的に政策実行に移します。

 

しかしながらこの普及策は、同時に国内太陽光発電設備メーカーや、
付帯工事会社の工事のあり方等に大きな見直しを要求し、
非常に苛酷なコストダウンを強いた政策でもあったのです。

 

今回はこの設備メーカーや工事会社の対応の変化について紹介していきます。

 

「70万」のカベ

2009年の補助金につけられた条件は1kw70万円以下という価格でしたが、
当時の国内のメーカーに取ってこの価格は非常に厳しい価格設定でした。

 

しかしながら国民が太陽光発電の設備を購入する為に
補助金なしに購入を検討する事は、2008年の状況を加味するとあり得ない事でした。
従って1kwあたりの販売価格を70万円以下にする事がどうしても必要だったのです。

 

大きな2つの問題点

 

その為には大きく2つの以下の問題が直面していました。

  • 太陽光発電設備の価格自体を下げる事
  • 工事費を下げる事

2つの問題点をクリアする為にはそれぞれ異なった内容の問題をクリアする必要があったのです。

 

設備価格の値下げ

まず設備価格を下げる事については製品のコストカットだけではなく、
流通コストを下げる必要もあったのです。

 

これは流通コストを下げる事の方が困難でした。
当時はそれぞれの会社が中間マージンを抜いている販売スタイルをとっていた為、
今以上の価格下落は各販売店の利益を圧迫するのが目に見えており、
強い反発が予想されたのです。

 

これにより各メーカーの取った戦略は、加盟条件は厳しくしながらも、
販売代理店を新規に募り、インターネットでの販売拡充に力を入れたのです。

 

工事費の値下げ

もう一つの大きな問題は工事費用のコストカットです。
2009年当時、工事は販売店に委託していた為、
各メーカーは工事会社とのつながりを持っていませんでした。
ところが補助金は工事費を含んだ価格としていた為、工事費自体を下げる必要があったのです。

 

メーカーから見て、販売ルートをインターネットに移管させる事で
工事費の価格操作が非常に厳しくなるのは目に見えていました。

 

ID登録制の確立

そこで考えられたのが、工事会社のID登録制度です。

 

「メーカーが承認する工事会社のみ工事委託が出来る様にする」という仕組みで
メーカーと工事会社の関係が厚くなる一方、販売店と工事会社の関係は希薄化します。

 

これにより工事会社はどの販売店でも工事を請け負う事が可能になり、
また工事方法を一定基準に定める事により、コストのばらつきも押さえる事が可能となったのです。

 

これが現在のインターネットを中心とした販売網の構築の原点となっています。
結果、工事費を含めた太陽光発電のkwあたりの価格は70万円を切る事が可能となったのです。